社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
「大丈夫か?」
産婦人科に向かっている時。
何度も何度も拓斗さんは助手席に座る私にちらりと視線を向けて言ってくれて。
「大丈夫だ」
赤信号で車が停まると膝の上に乗せている私の手を擦りそう言ってくれた。
大丈夫か?の問いに大丈夫と言っても拓斗さんはその言葉をやめようとはしなくて。
寧ろ、拓斗さんの方が私よりもずっとずっと大丈夫なのか心配になってしまう程。
「拓斗さんが居るから私は大丈夫です。だからもしこのまま出産になるなら…」
「優子」
「私の傍にいて下さい。そうすれば私は頑張れます」
どんなに凄腕の助産婦さんがいるよりも、拓斗さんが傍にいてくれる方が安心すると思うのが私の本音なんだもん。