社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
逃げ道を探してばかりの弱いままでいいの?
ううん。
逃げ道を探すばかりなんて、いいはずがない。
検査してどちらの結果であっても受け止められる力がなければ私は…
―――バシッ―
両手で両頬を強く叩いたのは少しでも、自分自身に喝を入れる為。
ちゃんと現実と向き合うべき。
そう言い聞かせた。
「私がしっかりしなくちゃ。拓斗さんの為にも、私の為にも。そして…」
もし赤ちゃんがお腹にいたらその赤ちゃんの為にもならない。
そんなの絶対に嫌。
「よし」
ぐじぐじするのはもうやめる!
私は勢いよくソファーから起き上がると、妊娠検査薬片手にリビングを出た。