社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
どんどん強くなっていく痛み。
その痛みは私が今まで体験した痛みと比べ物にならないくらいの痛みで、しかもどんどん痛さの記録を更新している。
「もうイヤ…」
頭を横にぶんぶん振りながらこの痛みを止めてほしいと叫ぶ。
帝王切開でもなく無痛分娩でもなく普通に産むと決めたのはこの私。
「もうすぐですからね。ほら、いきますよ」
もうすぐという言葉を何度聞いただろうか。
もうすぐなんて言葉はもうすぐの時にしか使っちゃいけないんだから…!
「優子」
「た、くとさ…っ」
ぎゅーっと拓斗さんの手を握りしめる。
分娩台に上がってからずっと握りしめている訳だから、拓斗さんの手はズキズキとしているかもしれない。