社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中



でもまだ帰ってほしくはない。


すみませんと謝ってもダメだと思っていても、拓斗さんの手首を掴む力が緩まないの…


そんな私を見兼ねてか拓斗さんは私の掴む手の上から掴まれてない方の手で覆うと一本一本私の指の力を抜いていく。





「拓斗さん?」

「……」

「拓斗さん…」





どうしよう。


拓斗さんを怒らせてしまったのかな?





「わ、悪気はないんです…。ただ拓斗さんともう少しだけ一緒に居たくて。だから、あの、その」

「……」

「私、一人で寝るのが寂しいんです。今までずっと拓斗さんが私の横に居てくれた時間が長かったから…」





どうしようどうしよう、あたふたしながら拓斗さんの手首を掴む指が最後になっていくのを見ている。



< 496 / 514 >

この作品をシェア

pagetop