社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
「困る」
「えっ」
「そんな事言われたら連れて帰りたくなるだろう。俺だって優子と同じ思いなんだ」
なんて言って拓斗さんは私の手をグイッと引くとぎゅっと私の身体を抱きしめてくれて。
拓斗さんも同じ気持ちだったと知り驚きのあまり情けない素っ頓狂な声が出てくる。
どうしよう。
連れて帰りたいと言ってくれるのなら先生に怒られる覚悟で拓斗さんについていきたい。
今すぐにも連れてってと言いたい気分だ。
「早く退院してくれ」
「はい。瞳子と一緒に…」
今まで拓斗さんと二人っきりで過ごしてきたあの部屋も、瞳子が過ごし始めると一気に賑やかになる。
そんな毎日を早く始めたい。
そう思っていると私を抱き締める拓斗さんの力が少し緩まった。