社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
こうしているとなんか不思議な気分がする。
そして何もせずここでこうして座っていると、自然と初めて来た日の事をついつい思い出してしまう。
婚姻届を提出してからすぐにこのマンションにやって来て、その時は黒と白ドットのマグカップに拓斗さんはジュースをいれて出してくれた。
ふふっ、あの味は今でも覚えてるよ。
4月24日に飲んだあのジュースの味。
そして今は8月下旬、然ほど月日は流れてないのに、私からすればあの日から凄く月日が経っている気がする。
「優子?」
両手にマグカップを持った拓斗さんが不思議そうに私の名前を呼ぶ。
「体調よくないのか?」
「そんな事ないですよ?」
クッションを抱き締めてたから勘違いしたのかな?