社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中
ドキドキしながら私は妊娠検査薬の結果が知れる判定窓に、視線を向けた。
線が出れば陽性、線が出ていなければ陰性。
私が使った妊娠検査薬の判定窓には…
「う、嘘…」
ぱちぱちと何度も瞬きをしても、ゴシゴシと何度も目を擦っても、これは見間違いかもしれないと思っても変わらない。
「……っ」
妊娠検査薬の窓には線がくっきり出ていた。
「あかち、ゃん」
拓斗さんの赤ちゃんが私のお腹にいる…
「いるんだ」
溢れ出てきた涙を拭う事もなく、ただただ私は妊娠検査薬をじっと見ていた。
視界が涙で歪んでも、何故か判定窓の線だけははっきりぼやけずに見えている。