社長の旦那と恋煩いの妻(わたし) シリーズ大幅修正加筆中



クッションを元の位置に戻し、拓斗さんからマグカップを受けとる。


そんなマグカップは今し方私が思い出していた物と同じあの時のマグカップで。





「どうしたんだ?笑って」





どうやらこのマグカップを見ながら無意識の内に笑ってたみたい。





「へへ、思い出してました」





そんな言葉に拓斗さんは首を捻る。





「拓斗さんは覚えてますか?」

「何をだ?」

「このマグカップの事です。このマグカップは…、私がここに初めて来た時に拓斗さんは出してくれたんです。そんな思い出が詰まった、私にとって大切なマグカップです」





拓斗さんは覚えてないかもしれないけれど…





「あぁ、そうだったな。ちゃんと覚えてるよ」



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