ハーレム ブラッド2
人間社会には役職と言うものが存在する。


役職には相応の権利が与えられると共に相応の責務も存在する。


責務の権利が釣り合わない時、人はその役職を拒否してしまう。



とある日のHR


「今日はクラスの委員会を決めるんだけど…」

優衣の一言に生徒は一斉に目を逸らした。


「うっ…そんな露骨に。」

優衣が涙目になる。

「でね…誰か…学級委員長を…ぐすっ。」

優衣がぐずりながら言う。


スッ…

「え!?」

唯一挙げられた手に優衣が驚く。

「私が立候補します。」

冬木が言う。


「良いの!?」

優衣が喜ぶ。

「はい。」


「じゃあ…次は副委員長をやりたい人は?」

意気揚々と優衣が言う…が静寂だけが溢れていた。

「ううっ…ぐすっ。」

「幸大の方を見てるわよ?」

姫野が小さな声で呟くように言う。

「こればかりはやりたくない。」

幸大が言う。

「幸大…何、独り言を言ってんだ?」

行正が言う。

「何でもない。」

幸大が言う。

「人間には聞こえないっての。」

マリアが呟く。


「はいはーい!

副委員長は幸大君が良いと思いまーす!!」


「ぶっ!?」

クーニャの発言に幸大が吹き出す。
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