ハーレム ブラッド２

放課後



幸大たちは優衣を除いて揃って校舎から出た。


「わぁ…

高そうな車があるよ？」

クーニャが言う。

「車に興味ないから車種はわからないけど…黒塗りの高級車って感じか？」

幸大が言う。

「メルセデス・ベンツですわ。

しかも、防弾仕様…」

アゲハが言う。



「え？」

姫野が不審そうにアゲハを見る。

「もしかしてお知り合いですか？」

咲子が言う。



ガチャッ…

運転手が車から降りると後部座席のドアを開けた。


スッ…

スーツを着た中年の男性が降りてきた。


「あ、アゲハさん？」

沙羅がわずかに震えるアゲハを気遣う。


「アゲハ…

あの男性は君の知り合いかい？」

華乃が言う。

「私の…父よ。」

アゲハが言う。

「え？

アゲハのお父さんなの？」

朱鳥が言う。

「おい、お前！

アゲハが怖がってるだろ!!」

マリアが男性に言う。



「アゲハ…」

低い声がそう呼ぶとアゲハがビクッと震えた。



「帰るぞ。」

「…。」

アゲハは男性に答えない。


「アゲハ…

いつまでも子供のワガママを通せると思うな。

私に多少の反抗をするのは反抗期と見なして目は瞑ったつもりだ…


もう…反抗期は終わった、そうだろう？」

男性が圧力をかけるように言う。