ハーレム ブラッド2
「そもそも結婚を急がせる理由とは?」

華乃が言う。


「大人の事情だ。

子供が知ることではない。」

男性が言う。



「大方、ヤクザ同士の結婚だろ?


ってことはそれぞれの対立する組同士の和睦のための犠牲にアゲハを利用する。

違うか?」

今まで黙っていた幸大が呆れながら言う。


「…。

なぜ、そう思う?」

男性が幸大を睨む。


「その車、防弾なんだろ?


ってことは銃で狙われる可能性がある。

それに高級車。


それである程度職種が絞れる。


それから運転手がドアを開けるときの周りの確認。

普通は運転手はドアマンと呼ばれるようにドアを開けるだけ。

つまり周りを警戒することはない。

それから…運転手とアンタの内ポケット、拳銃が入ってるんだろ?」


幸大が言う。

「なぜわかった?」

男性が言う。


「車から降りるときは姿勢を曲げなくちゃならない。

姿勢を曲げるとアンタが着ているような糊の効いたビシッとしたスーツは肩の動きに合わせて胸部も上に引っ張られる。


だが、アンタのスーツは姿勢を曲げると胸部が下に下がった。


つまり胸部、内ポケットに何らかのそれなりの重さを伴うモノが入っている。


あんたがヤクザなら…拳銃が打倒。


運転手もドアを開けるときに姿勢を曲げる。

その時も同じ理由で拳銃だと予測した。」

幸大が簡単と言わんばかりに言う。
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