ハーレム ブラッド2
「そんな簡単なことで良いの?」

姫野が言う。

「簡単だが…思い付きもせず、やろうともしない方法だ。」

幸大が言う。


『その通り。

吸血鬼から血を吸うなど考え付かん。』

「でも…幸大の記憶が戻る理由は?」

マリアが言う。



『余の友と研究した結果、吸血鬼が血を吸うとき、人間の血液をそのまま吸うわけではないと言うことがわかった。』


「え?

でも…私たちは普通に…」

優衣が言う。

『吸血時に無意識にフィルターの様なもので血液の中の一定の成分のみを取り入れている…そう考えると分かりやすいだろうな。


そして4種の吸血鬼はそれぞれ違う成分を吸う。


そのそれぞれ違う成分が吸われたことにより幸大の血液が一時的に欠乏症に陥った。


そして…記憶の欠乏に繋がった。』

「難しい話ですね…」

沙羅が言う。


『血を吸うことで幸大には常に何らかの副作用が伴っていた。

例をあげるならば翡翠の眼の吸血鬼が吸血した時の欲望の解放などだ。

つまり、幸大の無限の血液は血液そのものの量は回復できるが中の成分までは回復しなかった。


つまり、血は100%の量でも吸血鬼が吸う成分は70%。

その足りない30%を幸大の無限の血液の能力が無理矢理回復させようとした。

その障害だ。』
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