ハーレム ブラッド2
「でも…私たちの血を吸うと何で治るの?」

クーニャが言う。

『幸大の脳は現在、その成分が欠乏した時の記憶に鍵が掛かっている状態だ。


吸血した時の記憶の大半はそなたたちに関連する。

だからいっそ…そなたたちに関する記憶を封印した。』

「そんなことが起きるんですか?」

咲子が言う。


『脳はもともと、特定の人物のことだけを忘れることは可能だ。

そして幸大の血液を操作する能力もまた、脳から命令が出されている。

色々な要素が重なり幸大の脳はそなたたち吸血をした者に関する記憶に鍵を掛けたのだ。』

「結局、私たちが幸大に血を吸わせる理由は何なんだよ。」

マリアが言う。


『記憶を封印した理由はその成分が欠乏しているからだ。

その成分を取り戻せば記憶の封印も解除される。


そしてそなたたちの体内の血液はそれぞれの成分が入っている。

ほぼ100%の状態でな。』

ヴァンが言う。

「なるほど…

では…実際は彼女たち全員のではなく4種の吸血鬼の血液を吸えば良いのでは?」

華乃が言う。


『む…

他の者たちのために黙ってはいたが…その通りだ。

全員分ではなく4種の吸血鬼の血液で十分だ。』

ヴァンがやれやれと言いたげに言う。
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