ハーレム ブラッド2
その後

幸大は朱鳥を家まで送った。

「あら、幸大君じゃない…」

瑠奈が言う。

「どうも、お久しぶりです。」

幸大が言う。

「今日も相変わらず美味しそうね…」

瑠奈が幸大に近寄る。

「血は吸わせませんよ?」

幸大が言う。

「意地悪ね。

でも、前よりも…こう…良い感じになって…」

瑠奈が幸大を見回す。


「お母様!

ちょっかいをかけないでよ…

娘の…その…恋人に…」

朱鳥は最後の方を口ごもるように言う。

「はいはい…

まぁ、朱鳥も他の子に出遅れないで…って、朱鳥、その首の痕…」

瑠奈が固まる。


「あの…すみません。」

幸大が言う。

「朱鳥!」

ぎゅっ!

瑠奈が抱きしめる。

「お母様!?」


「今日は赤飯を炊かなくちゃ!!」

瑠奈が嬉しそうに言う。


「何でよ…」

朱鳥が言う。

「決まってるじゃない…娘が自分の愛する吸血鬼に血を吸われたんだもの…めでたいじゃない。」

「大袈裟よ…」

朱鳥が言う。

「幸大君…娘をよろしくね?」


「はい。

一生、大切にします。」


「な!?

幸大!?」


「今までもそうしてきたし…これからもそうするに決まってるだろ。」

幸大が言う。

「そう言うことを言ってるんじゃなくて!」


「じゃあ…俺は帰るからな?

また明日な、朱鳥。」


「…。

うん…また明日ね。」

朱鳥は頬を赤く染めながら小さく幸大に手を振った。
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