ハーレム ブラッド2
「そっか…」

「私が…昔のままでも、お前は優しいからずっと一緒に居てくれるってわかってる。

だから、お前に甘えてたんだ。

ちょっと、いけないことだとわかってても喧嘩したり…一方的に攻撃しても…お前に見離されることはないって…」

「…。」

「お前は記憶を無くしてるから知らないだろうけど…

私は家族や一族から見離されて、捨てられた。


だから…見離されるのや捨てられるのが最初は怖かった。

でも…もう1年以上お前といる。

お前はずっと傍に居てくれるってわかってた…。」


「さっきも似たようなセリフを聞いたけどな。」

幸大が言う。

「でも…お前は…私と居るために…私と居てくれるためにいつも無茶をするから!!」

顔を上げ幸大を見つめるマリアの目から涙が流れた。

「俺は無茶をしてる気はないんだけどな…」


「お前は優しいし…めちゃめちゃ甘いから…自分で気づいてないんだよ…バカ。」

「そんな眼で見るなっての…」


悲しそうな眼をするマリアの頭を優しく撫でる。


「お前が記憶を無くした原因だって…私の家族だ…


私のせいで…

私の家族のせいで…」


マリアの目から次々と涙が流れる。
< 205 / 495 >

この作品をシェア

pagetop