ハーレム ブラッド2
「ふっ…本当に不思議だよな…


マリアの記憶は無いけど…マリアの家族の記憶はある。

戦ったことも…覚えてる。

お前の一族を何人も殺してしまったことも…」

幸大が言う。

「でも…私は両親があの時うまく逃げたのを見たけどな。」

マリアが言う。

「でもさ…好きな奴のために無茶をするのは普通じゃないか?」

幸大が言う。

「な!?」

「ん?

マリアは俺のことを嫌いか?」


「そりゃ…その…嫌いじゃないに決まってる。」

マリアが幸大から眼を逸らしながら言う。

「そこははっきり言ってくれないとわからないなぁ…」

幸大がわざとらしく言う。


「な!?

この…バカ!


私はお前のことが好きだよ!!

悪いか!?」

マリアが叫ぶ。


ぎゅっ。

幸大がマリアを抱き締める。

「悪いわけがない。

最高だ。」

幸大がマリアの耳元で小さく言う。

「う…うっさい…このキザ野郎。」

マリアが眼を閉じて嬉しそうに悪態を吐く。


「マリアは家族が嫌いか?」

「…ああ。」
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