ハーレム ブラッド2
「確かに…以前から思ってたけど…幸大って翡翠の眼の吸血鬼の影響は受けやすいし、

欲望を解放するとかなりスゴいわよね。」

姫野が言う。


「だけど…時間が経てば治るなら急ぐ必要もありませんわ。」


アゲハが言う。


『ただ…気を付けなさいよ?


欲望を解放する能力に弱いということは、

その能力を持つ者に幸大君が狙われればイチコロよ?


特に、世界中の吸血鬼の間で幸大君が王の血を継承したのは知れ渡ってるし、


一部の吸血鬼、それに噂の範囲で収まっているけど幸大君の血液の能力も知れている。


王の継承者で無限の血液。


吸血鬼の世界では《神》と崇められても良いくらいの完全体。


不老不死にして全てが永遠の存在。



そんな幸大君を欲しがる吸血鬼は無数よ。


だから、気を付けなさい。』

瑠奈が真面目な声で言う。

「気を付けろってどうやって?」

朱鳥が言う。


『幸大君が欲望を溜めすぎないように気を遣ってあげなさい。


甘えて、頼ってばかりじゃダメなのはもちろん、


幸大君は見るからに意地っ張りな感じだから自分からは甘えたりあなたたちを頼ったりしないでしょ?


だから、無理矢理にでも幸大君を甘えさせたりしなさい。』

「…一理あるわね。」

アゲハが言う。

『今言ったのは《黄昏の欲望》の対処法よ。

《翡翠の解放》の対処法としては幸大君も健全な男の子なんだから色々と溜まるもの。


溜まったモノはちゃんとヌいてあげないとね?』


「な!?

お母さまのバカ!」


朱鳥が携帯の終話ボタンを強く押した。
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