ハーレム ブラッド2
「で、幸大は私の膝枕じゃ不満なの?」

姫野が笑いながら言う。


「サイコー…」

幸大が目を閉じて言う。

「なぁ…姫野。」

「何かしら?」


「血を吸いたい。」



「血を?

あの状態になって私に何かするつもり?」

姫野が言う。


「いや…姫野の膝枕のお蔭で今はスゴく落ち着いてるから、大丈夫な気がする。」


幸大が言う。


「てか、私の血を吸わなくてもマリアの血を吸ったんだから良いじゃない。


咲子にはちゃんと口裏合わせてあげるわよ?」

姫野が言う。


「記憶のためじゃない…

ただ単に姫野の血が吸いたいんだ。」

幸大が目を開けて寝たまま姫野の頬を触る。


「何で…?」

姫野は少し不安そうな眼をする。


「何で泣きそうなんだよ…」

「良いから…何で私の血を吸いたいの?

幸大も吸血鬼だから…血を吸いたいのは普通かも知れないけど…私が納得する理由を聞かせて。


理由が無いなら…無いでも良いけど…」


姫野が言う。


「俺は吸血鬼だから…」

「そう…よね。」

姫野が不安そうな表情から悲しそうな顔に変わる。


「俺は俺自身の全てで姫野を愛したい。

俺は吸血鬼だから…

吸血鬼としてもお前を愛したいんだ。」

幸大が起き上がって言う。
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