ハーレム ブラッド2
幸大が家に着いたのは18時頃



幸大とマリアは隣り合うそれぞれの部屋のドアに手を掛ける。



「ただいま!!」

マリアが中へと入っていく。


「まったく、元気な奴だな。」

幸大がドアを開けながら呟く。


「ただい…!?」

バタンッ!

幸大がスゴい勢いでドアを閉めた。


「気のせいか?」

幸大が再びゆっくりとドアに手を掛ける。

そして静かにドアを…


グイッ!

開けた瞬間に幸大が中に引っ張られた。


バタンッ!

ガチャッ!


「咲子!?」

ドアが閉められ鍵も掛けられた。


ドッ!

幸大が咲子に押し倒され…咲子が馬乗りになる。


「さ、咲子さん…?」

幸大が言う。

「なぜ…一度開けたドアを閉めたんですか?」

咲子が言う。

「いや…その…スゴく綺麗な蒼い瞳で咲子が見てたから。」


幸大が言う。


「…。」


「咲子…何で鍵を?」

幸大が言う。


「寂しかったです。」


「え?」

「鍵を掛けたのは邪魔が入らないようにです。


幸大さんは姫野さんたちと一緒でさぞ楽しかったでしょうが…私は寂しくて死にそうでしたよ?


血も足りなくてフラフラですし…体が弱ってしまうから余計に…幸大さんが恋しくて…」

「咲子…」


「それにヴァンから聞きました。

吸血鬼の王と戦ったことも…



私がここまで心の弱い者だとは思いませんでした…」

咲子が言う。



「弱くて良いよ、別に。


咲子が弱くても俺が守るから。」


咲子を抱き締める。

「私が弱かったら…誰が幸大さんを守るんですか?」


咲子が言う。


「さぁな…


取り合えず…ただいま。」


「お帰りなさい…幸大さん。」


咲子が幸大に体を預けると幸大は咲子を抱き締めた。



「時間がないので、目一杯甘えます。」

咲子が言う。

「時間?」


「沙羅さんも寂しがっていましたので、必ず会いに来ます。


私はキャラ的に幸大さん以外の人に私が幸大さんに甘えてる姿は見せられませんから。」


「なるほど…


じゃ…存分に甘えてくれ。」



「言われなくても。

その前に…血も頂きますけどね。」
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