ハーレム ブラッド２

「幸大さん…

私と未来を作りましょう。」


「何言って…んっ…」

咲子が幸大にキスをする。


「咲子…お前…」

「幸大さん…吸血鬼の王が幸大さんを翻弄し、良いように使われてしまう可能性がありますよ？


それも…また未来です。」


「俺は負けねぇって…」


「未来なんて解らないですから。」

「え？」

「いくら…幸大さんが未来のために頑張っても…

幸大さんが生きているのは今ですから。


今しか生きれないのに未来に生きようとするから幸大さんは怖いんですよ？」


「悪いけど…哲学は苦手で…」



「幸大さん！」

咲子が眼に涙を溜めながら幸大の名を叫ぶ。


「咲子…お前…泣いてるのか？」


「幸大さん…お願いですから…


未来の私たちのことを思うのも…

未来の私たちのために頑張るのも…


本当に…スゴく嬉しいです。

幸せだって思えるくらい。

でも…今のままじゃ幸せにはなれないんです。」


幸大の頬に咲子の涙が落ちる。



「幸大さん…お願いですから…


未来を見るなとは言いませんから…

未来でずっと一緒に居る私たちを夢見るのも、願うのも、信じるのも…構いませんから…


でも…お願いですから…






この瞬間に一緒にいる今の私たちも見てください…」


咲子は言い終えると唇を固く閉じて涙を抑えようとする。