ハーレム ブラッド２

24日23時



「じゃ、行ってくる。」

幸大が言う。

「そう言えば、どうやって空港に？」


「大通りでタクシーを拾っていく。」

「お金は？」

「あるって。


じゃ…行ってきます。」

幸大が咲子にキスをした。



「はい、行ってらっしゃいませ。」


咲子が優しく微笑んで見送る。



バタンッ。



玄関の扉が閉まるってしばらくすると咲子は幸大が大通りへ歩いていくのを確認し沙羅とマリアの部屋へ向かった。


「皆さん、揃ってますか？」


咲子が言う。


「バッチリよ。

幸大は行ったの？」

姫野が言う。


「タクシーで空港に。」

姫野が言う。


「ならば…私と朱鳥君とアゲハ君を連れて直線で空港に飛んでいけば幸大君より早く着けるな。」

華乃が言う。



「まったく…何が来るな、よ。」

朱鳥が言う。

「私たちが黙って見送るわけがない!!」

マリアが言う。


「でも…このマンション？アパート？どっちでも良いけど防音対策ができてるにゃ〜


コップを壁に押し当てても何も聞こえにゃいんだよねぇ〜」

クーニャが言う。


「盗み聞きなんてダメだし無駄だと思いますって言ったんですけど…」

沙羅が言う。


「それよりも…幸大君のトラウマのことは任せてほしいって言ってたけど…」

優衣が言う。


「はい、バッチリです。

今の幸大さんが恐れるのは…


まぁ…姫野さんたちだけですね。

色々な意味で。」

咲子が言う。

「やっぱり…大切な人が傷つくのは怖いわよね…」

優衣が言う。


「ま、とにかく幸大さんはもう大丈夫だとは思いますよ。」


咲子が言う。

「咲子…少しだけ女性っぽくなったかしら？」

アゲハが言う。

「元から女性ですが…」

咲子が言う。


「そうじゃなくて…」



「まぁ…幸大さんがトラウマを乗り越えて成長したから、私も共に成長したということじゃないですか？」

咲子が言う。


「さて…じゃ、行くわよ。」


姫野を先頭に部屋を出ていく。