ハーレム ブラッド2
卒業式


「えぐっ…うっ…」

在校生の中で最も涙を流す沙羅



「ぐすっ…

3年1組代表、榊姫野。」


「はい。」

優衣が言うと姫野が立ち上がり壇上に上がる


「3年1組、榊姫野。

右の者、高校の過程を修了したことをここに証する。」

校長が卒業証書を姫野に渡すと丁寧に受け取る



「あ…

なんか、涙が出てきたし…」

朱鳥が言う



「お疲れ。」

幸大は席に戻った姫野に言う


「クーニャ、あんた変な顔してない?」


姫野が言う


「だ、だって…泣きそうだから、我慢してんだもん…」

クーニャが言う

「私も気が抜けたら泣きそう。」

姫野が言う

「そんなの、私も同じだ。」

華乃が言う


「私も…そんなキャラでは無いのに泣きそうだわ。」

アゲハが言う


「泣きたかったら泣けよ。」

幸大が言う

「あんたは、大丈夫なの?」

朱鳥が言う


「大丈夫じゃねぇけどさ…

お前らが泣いてんのを受けとめなくちゃならないから、泣くわけにはいかねぇんだ。」

「珍しく男らしいわね。」

姫野が言う


「たまには男の甲斐性を見せないとな。」


「ふぇ…ぐすっ…」

クーニャが泣き出した


「私は…まだ少しだけ泣けそうにない。」

華乃が言う


「卒業生、総辞。

3年1組、冬木華乃。」


「はい。」



華乃が壇上に上がり皆に一礼をする


「卒業生、総辞…」


華乃が紙を見て話し出す


「華乃、総代だったな…」

マリアが涙を明らかに我慢している表情で言う

「華乃なら紙を見なくても覚えていられそうだけどな。」

幸大が言う
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