ハーレム ブラッド2
カサッ…

華乃が切りの良いところで紙をしまう


「最後に…この一言を。


保護者の方々、教職員の方々…在校生の皆…

それから、卒業生の皆…


言いたいこと全てを話すには時間が足りないから、この言葉だけを受け取ってほしい。



…ありがとう。


これを以て、卒業生総辞と致します。」






「お疲れさん。」

華乃が幸大の後ろの定位置に戻り座る


「もう…良いかな?」

幸大の背中に額をつけて華乃が言う


「むしろ、今こそ、グッドタイミング…だろ?」


「…。

ありがとう、幸大君。」

華乃が幸大の背中に額をつけたまま静かに涙を流した






卒業式は恙無く終了し、最後のホームルームも無事に終えた




カチ、コチ、カチ、コチ、カチ、コチ…


教室には幸大、姫野、クーニャ、優衣、マリア、華乃、朱鳥、アゲハが残っていたが、時計の音が聞こえるくらい静かだった


教室の椅子と机は後ろに下げられ、少しだけ広く感じる教室に無言で立っていた


「皆さん…」

沙羅が咲子と一緒に入ってきた


「咲子、鍵を。」

「はい。」

カチャンッ!

幸大が言うと咲子が教室の鍵を閉める
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