お仕置きゲーム。


「...それにね、貴方に言わなきゃいけないことがあるの。」

「...なンだよ。」

返す言葉が見つからず、じっとオンナを見ていると彼女は表情を歪めて涙を零した。




「私の夫が、貴方の大事な友達...美紀ちゃんを殺した犯人なのよ。」




ドクン、
ドクン、


鼓動が、徐々に早くなっていく。


「そして、智香ちゃんの事件に関わった医者の宇野博隆は...私の夫の、弟なの。」

「、」

言葉が出なかった。何か言おうと口を開くが、喉の奥がつっかえてうまくいかない。

「貴方たち4人の名前は、夫が犯した事件をキッカケに知ったわ。私はこう見えて、昔捜査官もしていたから、情報を手に入れることも容易い事だった。」

「...。」


何も言わない俺を見て、オンナはさらに涙を流す。


「美紀ちゃんの事件から始まり、智香ちゃん、佐藤君、の順で、報道されていくのが辛かったッ...貴方たちの人生を狂わせたのは、私の責任でもあるのだと思うと、苦しかったっ...。」


「...。」

「祐樹も、きっと私を恨んでいるわ。」

「...。」


「祐樹の為にも、私の為にも、貴方たちの為にも、もう、貴方たちの人生を、奪いたくない。...だから、佐藤君、」


女は少しだけ赤くなった目で、真剣に俺を見た。


「あなたを助けたいの。お願い、死なないで。」

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