お仕置きゲーム。



________

_____

__



ばっくん、ばっくん。

煩い心臓をなんとか落ち着かせながら、俺は目の前にあるコンビニを見上げる。鞄の中には包丁。ああ、俺、マジでやるのか。

犯罪だ、自覚は痛いほどある。

けど、コレしか思いつかなかった。

(真咲を助けたい)

その為には、あの智香の事件にかかわった男...宇野博隆と接触しなければならない。普通に考えて、犯罪者との接触は無理だ。なら、俺が犯罪者になれば会えるんじゃないか?と考えての行動だった。


「...。」


まさか自分が、コンビニに強盗に入ることになるなんて。


明日のニュースで報道されんのかな、施設の奴らはどう思うんだろ。とか考えながら入店した。幸いなことに、客はいなかった。いるのは店員2人。


___すべてを捨てて、メグミを救う覚悟はあるかい?


頭の中で、宇野博隆の言葉が再生される。

「...あるに決まってんだろ。」

誰にいうわけでもなく、ぽつりと呟いた。



俺は店員の前で立ち止まる。

「お客様?」

不思議に思った店員が俺に声をかけた。それを無視して、俺は鞄から包丁を取り出すと突きつける。




「今すぐ金をだせ。」


< 107 / 144 >

この作品をシェア

pagetop