お仕置きゲーム。
「活発な子だったんだね。友達は女の子のほうが多かった?」
真咲。どうなんだよ。(男の子の方が多かったよ)
「男の子の方が多かった。」医者は難しい顔をして俺を見る。何が言いたいんだよ、コイツ。はっきり言えばいいのに、じっと俺を見ているだけ。
「...はっきり言えよ。」
我慢ならずそう言えば、医者は目を大きく見開いた。そしてゆっくりと口を開く。「お母さんやお父さんから、何か言われた事ある?」「聞こえなかった?はっきり言えっつってンの。」俺は椅子から立ち上がり、医者を見下したような瞳でみる。
「っ、...君は、どうして女の子の恰好をしていたのかな?周りの子は、君が男の子だって事知ってるの?」
「さァ?気付いてねェんじゃねぇの?真咲の戸籍は女だし。」
だぁれも、俺が男なんてしらねェよ。親と、死んだセンセー以外な。「ってかさ、」「ッ、」明らかに動揺している瞳。俺は口元を緩める。「女とか男とか、関係ない。俺は真咲が好きなんだ。真咲は誰にも渡さない、だれにも知られたくねェんだよ。」顔を医師に近づける。
「ねぇ。」
吐息がかかるほどの近い距離で甘い声を出した時だった、コンコンとノックの音が響く。しょうがなく俺は医者から距離を取る。「は、入れ。」「失礼します。佐藤真咲ちゃんの件なんですが、ご両親のかたと連絡が取れないんです。いま警察が行方を捜索しています。」
医者は冷たい表情の俺を見て、冷や汗を流す。
(この子は、ふつうではない)
「...おとうさん、迎えにこないの?」俺は大きな目を潤ませて、入ってきた警察を見る。あまりの豹変ぶりに医者は焦っていた。