お仕置きゲーム。
ツー、と涙を流すオンナに聞こえるように少しだけ大きな声で言葉を発した。
「俺、あんたに感謝してる。」
「っ、」
「恨んでねェから。」
「...ッ、真咲、君。」
振り向き、俺は優しく微笑んだ。
「ありがとう。」
オンナはその場にぺたんと座り込むと声をあげて泣き出した。
「行くぞ。」
警官の一言で、部下達が歩き出す。
それに、大人しくついていこうとした時だった。ギュルルル、と物凄い音を立てながら一台の車が突っ込んでくる。全員の視線がソレに注がれた。
その車は遠慮なく俺に近づいてくる。さすがに危険だと判断した警官は俺のまわりから離れた。
一瞬の隙ができる。
「真咲!!!」
車のドアが突然開いた。そして、良く知る声が響く。
「けい、た。」
啓太は驚愕している俺に向かって手を伸ばす。
「掴まれ!」
その声を聞き、無意識に手を伸ばしていた。手が繋がれ、そのまま勢いよく引っ張られる。そのまま、啓太の上に倒れこんだ。
「メグミの救出成功だね!」
運転席に目をむければ、変態がいる。どうして啓太とコイツが一緒にいるのか気になったが、俺はばっと窓の外に視線をうつした。
「ッ!あの人も!」
連れて行きたい。
そう言おうとした時、オンナと視線が交わった。彼女の目は、泣いていたはずなのに赤くなかった。