お仕置きゲーム。


「大丈夫よ。きっとおとうさんは忙しいだけよ。今日は病院に泊まってくれる?また明日、連絡するから。」

警察は優しい笑顔を浮かべて俺を見る。どんだけ待ってても父親は迎えに来ない事をしっている俺は笑いそうになるのをこらえて「うん。」と言った。


警察は俺の頭を撫でると、「失礼しました」と言い診察室を出ていく。



俺と医者の間に沈黙がおちた。さて、この医者どうするかな。

「...素晴らしい。」

妙な事を口走った医者に鋭い視線を向ければ、彼は恍惚とした表情で俺を見つめる。「君のような子と出会ったのは初めてだよ。」「...。」俺は何も言わず、医者の様子を伺った。コイツは何を企んでいるのだろう。

「男の娘。可愛い、かわいい。」

「イカれてやがる。」

思わず表情を歪めれば、医者はおもむろに立ち上がり真咲の体を掴む。さっきまでの雰囲気はまるでなかった。俺を舐めまわすような表情で見ている。「あア、医者になってよかった!君を初めて見た時に直観したんだ!メグミが僕の前に現れたってね!」「は?」「男の娘っていうところが残念だけどね、まぁ、ステータスということにしよう。ねえ、キミはどうしてこの世界にきたんだい?」


厭らしい笑みを浮かべて腕をつかむ手に力を込める。これは真咲の体だ。コイツは、オレの真咲のカラダに触れている。

「テ、メェ、今すぐ離れろ。」

「あああ、かわいい、かわいいよ。」

「っ!」

俺は掴まれていないほうの手で机に置いてあったボールペンをとり、ソイツの手に突き刺した。

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