お仕置きゲーム。
店に入ると、店員が近づいてくる。それを見た啓太が「こいつに似合う服選んであげてください!」と声をかけた。
「はっ!?」
「貴方なら何でも似合うと思いますよ。」店員は笑顔で対応してくる。こういうことに慣れていない俺は表情をひきつらせながら啓太に助けを求めたが、啓太は笑うだけ。
腕をひかれて試着室に押し込まれると、店員から服を数着渡された。
「...。」
服と鏡にうつった自分を見比べて、溜息をひとつついてから手を袖に通した。
着替え終えてからカーテンを開くと、女と男の店員が目を見開いて俺を見る。
「...ナンデスカ。」
「かっこ可愛い...。」ぽつり、と女の店員が呟く。
「どうも。」
一応褒められているんだろう。礼を言って少し口元をつりあげれば店員は顔を真っ赤にした。
「真咲、すっげー似合ってんじゃん!」「そう?」「うん!今着てるのと、コレと、アレ、全部買っといたから。」「...マジかよ。」「だって、どうせあの変態の金だろ。」
「金のことじゃねェよ。持ち運びどうすんだよ。」「え?なんとかなるだろ!」
「...。」
後先考えずに行動するところは昔から変わってない。可笑しさがこみあげてきて、思わず笑ってしまった。