お仕置きゲーム。
「ッ、警察来るの早すぎだろ!」
走りながら啓太は叫ぶ。
「、とりあえず、あの変態のところまで逃げよう。」
冷静にそう言えば啓太は頷いた。後ろを向けば警官が数人こちらに向かってきている。大人と子供とではやはり走るスピードが違う。追いつかれるのも時間の問題だ。
その時だった。
「メグミ!アリサ!早く乗って!」
良いタイミングで、変態が車に乗って登場した。またもや台詞くさい口調だった。変態からは緊張感が感じられない。やはり、こうなることを予測していたのだろうか。
深く考えている暇はない。俺と啓太はすぐに車に乗り込んだ。
「間一髪だったね!」
ニヤリと怪しい笑みを浮かべたまま、変態は告げる。
「あ、せっかく買ったのに荷物全部忘れてきた!」「心配ないよ。」「なんでだよ!」「君達の荷物は、ちゃんとあるさ。」「は?んなわけないだろ、さっきの店に置いてき、」
置いてきた、と啓太は続けようとしてすぐに口を閉じた。
「...なんで、あるの?」
ないはずの荷物が、助手席にすべて置かれていた。