お仕置きゲーム。


行くあてなんかなかった。ただ、走り続ける。次第に息が切れてきたが、足は止まらない。


「ハァ、ハァ、」

体力が限界に近い。咄嗟に角を曲がり物陰に隠れた。

「はぁ、はあッ、真咲、大丈夫か?」

「ああ、なんとか。」

大丈夫だと言おうとした時、今いる場所が昔よく4人で遊んでいた公園だということに気づいた。脳内に過去の記憶が蘇る。全身が震えだした。



俺の異常に気づいた啓太が驚き、「大丈夫か!?」と声をかけてくる。どうしよう、やばい。体が、言うこと、効かねェ。





____マサキ。


ふと、声が響いた。


__マサキ、私があなたを護ってあげるよ。




「み、き、」


__違う、あたしは美紀じゃないよ。私は真咲。


ギリ、

無意識に啓太の手を握る手に力を込めていた。

「真咲、しっかりしろ!」

___マサキ、マサキ、大丈夫。助けてあげる。私を呼んで。体をちょうだい。

「まさ、き、」

あ、なん、で。なんで、なんで。治ったと思ったのに。もう大丈夫だって思ってたのに。
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