お仕置きゲーム。
「真咲!!」
ぎゅう、と抱きしめられた。けど、治らない。俺のナカの美紀が次第に大きくなっていく。悔しさと恐怖から瞳が潤んだ。
「け、いた、」
絞り出した声は酷く震えていた。激しい頭痛が襲う。覚醒しそうになるのをなんとか堪え、顔をあげた時だった。公園のすぐ近くにある家の二階の窓から誰かがこっちを見ている。
あの家は確か、美紀が殺された家。
にやり。
窓から見ている人物は俺を見て笑った。目を凝らしてそいつを見れば、誰なのかすぐにわかった。
「ッ、あいつ、」
宇野博隆だ。
運転席にいないと思ったら、あんなところに移動していたのか。俺が苦しんでいる光景を傍観している。あいつ、何がしたいんだろう。
深く考えている暇はなかった。パトカーのサイレンが公園前でとまる。逃げなきゃ、やばい。
「啓太、にげよう。」
「大丈夫なのか?!」
「だい、じょうぶ、走れる。」
再び走り出した俺達を見て、変態は笑みを深めた。