お仕置きゲーム。
なんとかパトカーや警察に隠れながら逃げ続ける。捕まるのも時間の問題だとわかってはいたけれど啓太がいる限り諦められるわけない。
「ッ、」
「そこまでだ。」
警察の声が響いた。やばい、囲まれた。逃げ道がなくなる。手に汗が滲んだ。冷や汗が頬を伝う。啓太だけは絶対に助けたい。その想いから、無意識に口を開いていた。
「...ねぇ、」
声が少しだけ震えている。
「お前らが追ってるのって俺だろ?ならさ、コイツは見逃してよ。」
「真咲、お前何言って、」「元々、俺がコイツについてきてって言ったんだしさ。コイツ関係ねェだろ?」
お願い、と首をかしげて妖艶に笑うと警察は頬を赤く染めた。
「っ、」
すると啓太は突然俺の手を力強く引いた。隙をついて警察の間を素早く潜り抜けて再び走る。何度か俺達を押さえつけようと警察の手が触れたが奇跡的に捕まることはなかった。
しかし、すぐに追ってきた為にあまり意味がない。また俺が住んでいたアパートの前まで来てしまった。後ろからも、前からも警察が追ってきている。
もう、逃げ道は一つしかなかった。
啓太と俺はアパートの中に逃げ込む。