お仕置きゲーム。
この変態の名前は宇野博隆(うの ひろたか)。今年で28歳。超エリート大学を卒業したらしくかなり頭がイイ。使える。「あ。」「どうしたんだいメグミ。」「センセーの死体は?」「あ、ああ。警察が引き取ったそうだよ。メグミはその先生に襲われたんだろう?ああ、なんて羨ましいんだ。」
「ちょっと待て。警察が引き取った?」「ウン、司法解剖するらしい。君は正当防衛として先生を殺したんだろう?」「ああ。」平然と嘘をつく。
「しかし、君の殺し方は残虐すぎたんだ。パニックになって先生を咄嗟に刺したのならあんな酷い殺し方はできない。君の殺し方は何度も、的確に、急所を刺していた。」
「...やべェな。」「ん?メグミは捕まる事を恐れているのかい?」「裏山に埋めなきゃ。」「どうして?」「真咲の父親が、お仕置きした後は裏山に埋めてたからだ。」
捕まる事を恐れているんじゃない。はっきり言ってどうでもいい。ただ、お仕置きは完璧にしなければならない。じゃなきゃ、真咲が悲しむ。「こんなのお仕置きじゃない。」って、きっと表情を歪めて泣くだろう。
「宇野博隆。」「なんだいメグミ。」「死体、裏山に埋めてきてよ。」「む、無理だよそんな、」「無理じゃない。ちゃんとできたら、ご褒美やるよ。」「ご、ほうび?」「そう、ご褒美。」
ご褒美、と聞いて何を想像したのか宇野博隆は嬉しそうに、興奮したように「頑張るよ!」と言った。こんなにうまくいくとは思わなかった、単純だな、コイツ。警察が捜査している裏山に死体をうまく埋められる保証はどこにもない。
失敗したらまた考えればいいか。とりあえず、このお仕置きが完全に終わるまで次のお仕置きはできない。
「じゃ、よろしく。病室戻るから。」「う、ウン。」「お仕置きが終わるまで俺はココで寝泊まりする。手配しといて。」「わかった!任せて!」