お仕置きゲーム。



ただ、口に入れ、噛み、飲み込む。食べにくいと感じた。自分が何を食べているのかわからない。真咲はよく食べるっていう動作できるよな。(美味しいよ?)「...真咲は何でもおいしいって言うだろ。」(うん、そうかも)「この魚、美味しい?」(うん、美味しい)「じゃあコレは。」(美味しいよ。)「コレは。」(美味しい。)


「じゃあさ、」

俺は自分の唇に人差し指をあてる。


「これは?」


そう問うと、真咲は何も言わなくなった。きっと照れているんだろう。「脳内見ていい?」(っ、だめ!絶対だめ!)「あ、そう。」思わず笑みがこぼれた。ああ、可愛い。愛しい。胸がきゅう、と締め付けられた気がした。けれど、全然温かくなかった。けど、冷たいわけでもない。まるで、この病人食みたいだ。

「っ、」

ギリ。箸を握る手に無意識に力がこもった。俺は今、何を思った?「真咲。」(なぁに?)「好きだよ。」(うん、私も。)





___今のは、きっと、気のせいだ。
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