お仕置きゲーム。

正義のヒーローと狂った父親









「正義のヒーロー!」

「何よソレ。」

私の発言に智香(ともか)は笑った。「好きな人が正義のヒーローって、いまどき園児でも言わないわよ。」「えー、でも私は好きなのー。」最近、智香に彼氏ができたらしい。その話題で盛り上がっていたところ、突然彼女に「真咲は好きな人いないの?」と聞かれた。だから、正直に「正義のヒーロー!」と答えたのだ。


「その正義のヒーローの名前はなんていうの?」「マサキ。」「え、アンタと同じ名前なの?」「うん!すっごくかっこいいんだよ。」「見てみたーい!っていうか、そのマサキ君って同中じゃないよね?何所で知り合ったの?」「同中だよ。」「え、ウソ!?何年何組?」「それは秘密。」「もったいぶらないで教えなさいよー。っていうか何所で出会ったの!?」


こういう話、智香はほんと好きだね。と笑えば「話そらさないで。」とつっこまれる。はっきり言って、私はマサキについて語るのは嫌だった。頭が可笑しい、と思われるような気がしたからだ。





その場はなんとか誤魔化して乗り切り、私は予鈴とともに鞄を持ち教室を出る。「あ、真咲部活は!?」「今日は休みー!」「一緒にかえろーよ!」「ごめーん!今日はちょっと用事があって!」


ばいばい!と友達の誘いを断り速足で帰る。最近、私には一つ楽しみがあった。







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