お仕置きゲーム。



智香はあっけなく意識を飛ばした。「...真咲、あいしてる。」自己暗示をかけるように、俺はぽつりと呟いた。カラン、と血のついた鉄の棒を落とす。その時だった。ガラ、と扉が開く。


「メグミ!聞いて!...ッ、」

変態医者は部屋に入り、中から鍵をかけた。「な、何をしていたんだい、メグミ。」「...あァ、お前か。」「う、うん、僕だよ。」「コイツを、俺が退院するまで入院させろ。もちろん、俺と同室で。」「え、い、イイけど何を、する気なんだい?」「...お仕置きだよ。」

低い声で、静かに言った。ごくり。変態は生唾を飲み込む。ただならぬ雰囲気に冷や汗を流し始めた。「そのこ、まだ、小さいけど。」「関係ねェだろ。」「でも、メグミと同じ年齢なんじゃないのかい?」「うっせェなロリコン。」「でも、」「何か文句あるの?」にっこりと笑みを浮かべれば変態は黙った。


「あ、そうだ。遺体はどうなった?」

「う、うん。司法解剖を任せてもらえることになったんだ!だから、今日の午後この病院に遺体が運ばれてくる。」

「そっか。なら、今日の夜に埋めれるよな?」「うん。」「そんな不安そうな顔すンなよ。ちゃんとご褒美やるからさ。」「うんっ!任せて!」ああ、やっぱり単純。けど、見張りの警官は何人かいるだろう。こいつ1人に任せて大丈夫なのか?コイツがどうなろうと関係ないが、お仕置きは成功させなければならない。


「1人でできるのか?」

「メグミ、もしかして心配してくれるの!?」「うんそうお前が心配なの。」適当に言っただけなのに、変態は嬉しそうに笑った。何が嬉しいのか理解できない。


「でも、大丈夫だよ。メグミの為なら失敗はしないさ。だって僕は、エリートだからね。」

目を光らせて、口元を釣り上げて笑う変態を見て「そう。」とだけ返した。「ならよろしくな。良い返事待ってる。」「うん!!」



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