お仕置きゲーム。
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窓から差し込む月の光がやけに不気味に感じた。
シンと静まり返った暗い病室で、俺は呟く。
「分かった。」
ピ。変態医者の報告を電話で聞き、通話を終える。「真咲、終わったよ。」(ひっく、う、う、ごめんね、私がッ、)「泣くなよ。俺が泣いてるみたいで恰好悪い。」ツー、と頬を伝う涙に嫌気がさす。
「で、お仕置き終わったけどどうする?」
(う、ど、どうするって、?)「...3度も言わせる気ですか真咲ちゃん。」(ッ、ん、なんの、こと?)「...俺達、付き合うンだろ。」ぼそり。無表情で呟いた。すると真咲は嬉しそうに笑った。
(うん)
ただの口約束にすぎないのに、さらに真咲との距離が縮まった気がする。嬉しい。「...結局、警察からは何の連絡もなかったな。」まあ、父親は死んでるから見つからないのは当たり前なんだろうけど。(...おとう、さん)「なんだよ、父親にお仕置きしたの気に入らなかったのか?」(...違う、けど。やっぱりちょっと寂しいなって)
「俺がいるのに。」(うん、そーだね。)ちらり。真横で眠っている、ピクリとも動かない智香を見た。冷たくなった頬をするりと撫でる。
「...真咲。」(なあに)
「交代しよ。」(え、いいの?)「お仕置き終わったし、もうお前を苦しめるヤツはいねェだろ。」(うん、わかった。いつも有難う)「...。」
静かに目を綴じ、体を真咲に譲った。