お仕置きゲーム。
1-2ココロと過去
「宇野博隆、29歳。君は1人の少女の首を絞め死に至らしめた。そしてもう1人の少女に性的暴行を行っているところを巡回中の警官に発見された。」「違うよ。僕はメグミからご褒美を貰っていたんだ。」
警官は僕に鋭い視線を向けた。話が理解できないらしく、表情を歪めている。だって僕は真実を述べているだけ。何も嘘なんかついてない。
「ご褒美?」「そうだよ!」「なんのご褒美を貰っていたんだね?」「それは言えないよ。メグミとの約束だからね!」
狂ったような笑みを浮かべると、警官は深いため息をつき頭を抱えた。
「どうやら精神に大きな疾患があるらしい。これじゃあラチがあかない。先に治療が必要だ。」「フフフ、ねえ、メグミって知ってる?ホラ、10年前に流行ったアニメがあるよね。僕、そのアニメの主人公、めぐみが本気で好きなんだ!」「わかった、わかったからちょっと場所を移動しようか。」
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私は、車に揺られていた。「ねえ、これから何所にいくの?」運転手に聞けば、彼は「君の新しいおうちだよ。」と答える。
お父さんは死んでしまったし、親戚はいない。帰る家がない。だから、私は新しい家に行くことになった。朝説明を聞いたけど、なんだっけ。
「児童、養護施設?」
「そう、そこだよ。先生もみんな優しい人ばかりだからすぐになじめるよ。」
「学校は?」
「前より少し遠くなっちゃったけど、前の学校に通えるよ。」「そっか!...皆と仲良くなれるといいな。」
私は窓をあけて風にあたった。気持ちいい。短くなった髪が靡く。「真咲ちゃん、美容室に行こうか。」「え?」「その髪、整えよう。」「...うん。」
おばさんに整えてもらう予定だったけど、頼めるわけない。だって、智香が死んじゃったから。オバサン、泣いてた。罪悪感がこみ上げてくる。
自然と潤む瞳。(泣き虫)マサキの声が聞こえて、少しムッとした。