お仕置きゲーム。
美容室に行き、髪を整えた私は養護施設の正面玄関に来ていた。
「はじめまして、真咲ちゃん。」
にっこり。人のよさそうな笑みを浮かべ、施設の先生は笑った。
「はじめまして、佐藤真咲です。」「今、中学1年生?」「はい。」「貴方と同じ年齢の子、たくさんいるからすぐに仲良くなれるわよ。皆いい子ばかりだから。」
そうなんですか。とにっこり笑えば、先生は私の頭を撫でてきた。「それじゃあ、お願いします。真咲ちゃん、いろいろあったあとで辛いかもしれないけど、しっかりな。」「はい。」しっかりと返事をすれば運転手の人はニカっと笑って私の頭をなでる。先生に軽く礼をしてから帰っていった。
(...真咲に触れやがって。)撫でられるの嫌いじゃないし、良い人だからいいの!(ふーん)納得いかないのか、マサキはふてくされたように言う。
「真咲ちゃん、こっちよ。」先生についていく。中に入ると小さい子供達がたくさんいた。「あー!せんせいそのこだれー!」「お人形さんみたーい!」「かわいー!」わー、と私のまわりに小さい子たちが集まってくる。
「わっ!」
どん、と衝撃が走りよろける。(真咲!)倒れる、と思った時ガシと誰かに腕を支えられた。
「大丈夫か?...って、真咲!?」
「え?」
お礼を言おうと振り向いたとき、名前を呼ばれて驚いた。「...だれ?」「俺のこと忘れたのか?啓太だよ、啓太!」「え、啓太!?」「うん!3年ぶりだな!」啓太とは、小学校3年生まで仲良かったしよく遊んでいた。けど、4年生になってから突然転校して、ずっと会っていなかった。
まさか、こんなところで再会できるなんて。
「啓太兄ちゃんのかのじょー?」
子供達がからかってくる。啓太は「ちげーって!」と大声をあげて、きゃっきゃ!と楽しそうな声をあげながら逃げていく子供達を追う。
ぽかん、としてその光景を見ていると先生が「騒がしいでしょ?」と言って笑った。