お仕置きゲーム。
「暗い話はここで終わり!皆に紹介してやるよ!いこーぜ。」「うん!」
啓太は何も変わっていなかった。酷い目にあってきたのに、優しくて気配り上手で、ムードメーカーだ。私には啓太が眩しいと感じた。
荷物を部屋において、啓太の後を追う。
(真咲。)「なあにマサキ。」(...いや、何でもない)「うん?変なの。」
案内されてやってきたのは、食堂だった。ちょうどお昼らしく、約10人の子供達が昼食をとっている。学校みたいだと思った。
「はい、みなさんちゅうもーく!」
啓太がそういうと、全員の視線がこちらに向けられた。「なんだよ啓太兄、飯くってるんだけど!」「お兄ちゃんどうしたのー?」「啓太、何かあったの?」
様々な年代の子が啓太に声をかける。
「知ってる人は知ってると思うけど、今日から俺達の仲間になった佐藤真咲。俺の大事な幼馴染だから、皆仲良くするよーに!」
「あ、さっきのおねえちゃんだ!」「真咲ちゃん、あとで遊ぼう!」「何所から来たのー?」「何年生?」
質問の嵐。思わず微笑めば、啓太は良い奴ばっかりだろ?と自慢するように言った。この施設の子たちを、すごく大切に思ってるんだなぁと思った。
「この施設にいる奴らは、俺が護るんだ。」一瞬だけ、マサキに見えた気がした。「もちろんお前のことも護るよ、真咲。」「...ありがとう。」
「うわー!啓太兄ちゃんが告白したー!」「だあああうっせーな告白じゃないし!」再び追いかけっこが始まる。ここは、思っていたよりすごく明るい場所だ。
ふふ、と無意識に笑う。(真咲、たのしい?)「...うん、こんな雰囲気、ひさしぶりだから。」(そっか、良かった。)ナカのマサキも笑った。