お仕置きゲーム。
「皆注目っ!」
数日前、私が来た時のように啓太は言った。皆の視線が彼に向けられる。「今回はなんだよ啓太。」「どうしたの啓太。」「なにかあったのー!?」
「実は、また、この施設に新しい仲間がやってきました!」
おおおお、と施設の子たちの表情は明るくなる。「侑里乃!」啓太が名前を呼べば、侑里乃はにっこりと笑顔を浮かべて入ってきた。
「...侑里乃、ちゃ、ん。」
私は目を見開く。なんで、あの子が?全身が震える。(真咲、大丈夫か?)「う、ん。」
「侑里乃は俺の幼馴染の妹だから、皆仲良くしろよ!」
「また幼馴染かよー。」「侑里乃ちゃんはなんでここにきたの~?」皆の質問に嫌な顔を見せず、侑里乃ちゃんは口を開いた。
「捨てられたのでここに来ました!田辺侑里乃です、よろしくね!」
「田辺?って、もしかしてこないだニュースでやってた殺された田辺智香のいもう、もが!」
啓太がバッと子供の口を塞いだ。「余計なこというなよ!」「いいんだよ啓太君、ほんとのことだから!」侑里乃ちゃんは笑う。でも、依然みたような純粋な笑顔ではなかった。
(アイツ、イカレたな。)
ぽつりと、マサキが呟いた。
「あー!真咲ちゃん!」
侑里乃ちゃんは隅にいた私の存在を見つけるなり大声で叫んだ。「え、真咲の知り合いなの?」施設の友達が問いかけてくる。
「...うん。私と啓太の幼馴染の妹なの。侑里乃ちゃん、ひさしぶり。」
平常心を保ち、笑顔で言えば侑里乃ちゃんは「偶然だね!」と笑った。やっぱり彼女の笑顔はどこかおかしかった。