お仕置きゲーム。
侑里乃ちゃんは明るくて、人懐っこいからすぐに皆と打ち解けていた。マサキが歪んでる、と言っていたけどとてもそんなふうには見えない。私ともすごく仲良くしてくれるし、前より仲良くなれた。妹がいたら、こんな感じなのかなあ。とか都合のいい事を考えながら、現在私と侑里乃ちゃんは侑里乃ちゃんの部屋で学校の宿題をしていた。
「真咲ちゃん、ここわかる?」「うん、ここはね、」
小学校の問題集をさしだし、首をかしげて聞いてくる。優しく教えてあげると、侑里乃ちゃんは笑った。「ありがとう真咲ちゃん。」
「わからないところがあったら何でも聞いてね。」「うん!」
(...)そんな私を呆れたような表情を浮かべてみているマサキを感じて、思わず苦笑する。(都合いいな、お前)「ふふ、」
マサキの言葉に笑ったときだった。じ、と侑里乃ちゃんは私を見る。どくん。心臓が大きく跳ねた。
「また、真咲ちゃん2人いるー。」
がたん。思わず椅子から立ち上がって侑里乃ちゃんから距離をとってしまった。冷や汗がにじむ。
「どうしたの?真咲ちゃん。」お勉強は?と聞いてくるが、それどころじゃない。ばっくん、ばっくんと煩い心臓を落ち着かせなきゃ。(真咲、落ち着け。何でそんなに動揺してるんだ)「わかんない、怖くて。」
侑里乃ちゃんの視線は私から外れることはない。不思議な雰囲気が漂っていた。侑里乃ちゃんから視線が外せない。怖い、こわい。(...真咲を、二度も怖がらせた)「え、あっ、だいじょうぶ、だから。」侑里乃ちゃんが怖くても、この施設は好きだった。お仕置きして、ここにいられなくなるなんて嫌だ。
「誰とお話ししてるの?もう一人の真咲ちゃん?」「ッ、ちが、」「...。」私をじっと見つめながら、近寄ってくる。思わず後ずさった。
「私ね、赤ちゃんのころからおばけがみえるのよ。」「っ、え?」「そこにいる女の人がね、教えてくれたの。
おねえちゃんをころしたのは、まさきちゃんだって。」