お仕置きゲーム。

弱虫ヒーロー(過去 まさき視点)


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場所は俺たちが通う保育園のすぐ傍の公園。いつものように四人は保育園が終わったあと遊んでいた。

「真咲の鬼!お前じゃんけん弱すぎ。」「...。」不服そうに自分の拳を眺めたあと、俺は大袈裟に溜息をついてから「しょうがねーなー。」と笑った。啓太は逃げろー!と叫び逃げていく。

智香と美紀は仲良く手を繋ぎながら逃げていた。

「いーち、にー、さーん、」いつもの大きな木の下で、いつものように数える。「...はーち、きゅう、じゅ!」俺は駆け出した。目指すは、啓太。智香はおとといつかまえたし、昨日は美紀をつかまえた。だから今日は四人の中で1番足が早い啓太を捕まえる!

普通に追いかけても無理だ。まわり道しなきゃ。頭が良かった俺はすぐに分析を開始する。はじめはいっつも俺が鬼だもん。逃げるルートなんて簡単にわかる。


「...。」

ここにいれば来る気がした。すべりだいの後ろに身を潜める。予想通り、暫くすると啓太が逃げて来る。にやり、口元が緩んだ。「啓太のおに!」ばっと飛び出てタッチすれば啓太は目を大きく見開く。

「あーあ、捕まった...」「ふん。お前の行動パターンなんておみとおしだ。」「あったまいいなあ真咲。」啓太の言葉を聞き、思わず頬が緩んだ。「だろ?」

自信満々に言えば、啓太に頭を叩かれる。先生にぼうりょくは駄目って、さっき注意されたばっかなのに、こいつ…「早く逃げろよ。」また鬼にされるのは嫌だったから、全速力で逃げた。


「真咲、今誰が鬼?」「啓太。」「えー!啓太くん走るのはやいからやだー。」智香がそう叫ぶと、美紀も「やだなあ。」と呟いた。智香とちがって、美紀はふわふわしててちっちゃくてかわいい…と、思う。きれいな黒髪は長くて肌はしろくて、お人形みたい。

ぽー、と美紀を見ていると智香に手を掴まれた。「にげるわよ!」


美紀の手を掴んでいないほうの手で、俺を引っ張る。三人で手を繋いで逃げるなんて、馬鹿みたいだとおもった。それに恥ずかしい。すこし頬があかくなる。
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