お仕置きゲーム。
悲しいヒーロー(過去 啓太視点)
*啓太視点
美紀の葬式で、号泣した。美紀が死んだこと、棺桶でねむる美紀をみるまで実感がわかなかった。俺の隣で智香は大声をあげて泣いた。けど、その隣にいた真咲はまっすぐと美紀を見ていた。無表情で、怖い。俺には人形みたいに見えた。
数本の花を、美紀がねむる棺桶のなかにいれてやる。
あの時、俺がお菓子を受け取らなければよかったのかもしれない。
俺が、2人を止めていればよかったのかもしれない。
今更後悔しても遅いが、罪悪感が幼い俺の心を締め付ける。
俺は4人で遊ぶ時間が好きだった。もっと遊びたかった。それに、俺は、美紀のことが好きだった。
「ごめん、ごめんな、美紀。」
謝っても謝っても、足りない。美紀は返事をしてくれない。ぐずぐずと泣いている俺を見た真咲は、無表情で俺のそばまで来て、頭を撫でてくれた。
「啓太、大丈夫だ。」「...ま、ざぎ。」「美紀は生きてる。」
訳がわからなかった。美紀が生きてる?そんなはずはない。だって、目の前に死体があるんだから。「どういう、」どういう意味?と問おうとして、俺はやめた。
真咲が、眠る美紀を見て優しく微笑んだからだ。
(...真咲が可笑しい。)初めて真咲の違和感に気付いたのはこのときだった。
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そして約2年が経った。美紀の家族は遠くに引っ越したらしい。詳しいことは知らない。聞こうとも思わなかった。
無事卒園した俺は小学校に通っていた。真咲とはクラスは違うけど、放課後になれば智香も交えて3人で遊んでいた。