お仕置きゲーム。
次の日、いつものように学校に行き、元気よく教室のドアを開けて、俺は固まった。「おっはよーって、...え?」
もうすぐ授業が始まるというのに、クラスメイトは智香以外いない。「お、おはよう啓太。」「智香、...これ、どういう事?全員どこいったんだ?」「わかんない。あたしが来たときも誰もいなかったよ。」「ふーん。まってればくるだろ。」
その読みはハズレではなかった。予鈴とともにぞろぞろとクラスメイトが入ってくる。クラスの友達に「何かあったのか?」と聞けば、そいつは曖昧に笑って気にすんな、と言うだけだった。
「あの、智香ちゃん。」「ッ、え。」智香は突然、クラスメイトに話しかけられている。「今までごめんなさい。これ、お詫びです。」「え、あ、え!?」押し付けるように箱を渡すと、クラスメイトは逃げるように自分の席に戻っていく。
智香は戸惑いながら箱を開く。「っ!」「なんだ?それ。」気になった俺は箱の中を覗き込んだ。
「...靴?」
「これ、昨日捨てた靴と同じだ...。」
そういえば、昨日、智香が捨てていた靴とデザインが同じだ。俺と智香は不思議そうに首を傾げた。
その日を境に、イジメはなくなったらしい。そのことを学校帰りに真咲に話せば、嬉しそうな顔で「よかったな、智香。」と言う。
「真咲、お前何かしたのか?」
「...さぁ。」
「はぐらかすなよー!」
「俺、今日も用事あるから。またな2人とも。」
俺と智香にそう告げると、真咲は走って帰っていく。「...真咲、最近どうしたんだろうね。」「...。」