お仕置きゲーム。


突然髪をショートにし、茶色に染めたあたしをみてクラスメイトは驚いていたようだ。見た目が変わり、怖いからか何故かあたしには何も言ってこなくなった。

見た目が変わっただけでこの変わりように内心驚く。

しかし、問題はこれからだった。あたしに対しての嫌がらせがなくなったぶん、再び真咲への嫌がらせが増えてしまったのだ。

あたしはソレから護るために常に真咲と一緒に行動していた。そうすれば、あたしの外見を恐れている児童たちは近づかない。

けど、全員が私の外見に恐れているわけではなかった。数人は嫌がらせをしてくる。相手は男子。力でかなうはずがない。


ならば、女の武器を使おう。


あたしは、美紀の事件に対して罪悪感を抱いていた。何もできなかった自分が憎かった。あたしがあの時、もっとしっかりしていれば美紀は死ななかったし真咲は歪まなかったはずだ。

けど、もう遅い。どれだけ悔やんでも過去には戻れないのだ。

ならば現状を変えたい。真咲を支えたい。


あたしは目の前にたつ5人の男子児童をしっかりと見据えた。


「ねえ、」

「...あ?」

「きすに興味ない?」


上目使いで男子を見上げ、口元を厭らしく釣り上げて見せた。ごくり、と男児が生唾を飲み込む音が聞こえる。


「真咲をいじめないって約束してくれたら、あたし、なんでもシてあげるよ。」








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