お仕置きゲーム。


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「智香は凄いね。」

真咲は突然、そんなことを言った。

「え?何が?」

「だって、すごくモテるじゃん。」

「そうかなぁ。」「そうだよ。」

小学6年生のあたしは、既に処女ではなかった。何人もの男子との関係を持ったからか、小学生にしては色っぽいとよく言われるようになる。

しかし、関係を持つことに抵抗がないわけではなかった。すきでもないひととそういうコトをするのは嫌だったし、気持ち悪い。けど、真咲の為に自分を磨いてるんだと思い込むと乗り切ることができるのだから、我ながら凄いと思う。


「あ、智香に言いたい事あったんだった!」
「何?」

「私ね、私立の中学校にいくことになったの。」「...え?」それを聞いて、あたしは固まった。「ど、どうして?」「お父さんが私立に行けって言ったから。」「...。」そんな。真咲と離れちゃう、そんなの嫌だ。

「あ、あたしも、」「?」「あたしも、私立を受験しようと思ってたの!」真咲に嘘をついてしまった。あたしの発言に真咲はすこし目を丸くしてから、「ホント!?うれしい!」と声をあげて喜んでくれた。


「中学も智香と一緒で、よかった!本当は凄く不安だったの。」

真咲は綺麗に笑った。すっかり女の子になってしまった彼を真っ直ぐと受け止め、あたしは笑い返す。「真咲、」「なあに?」「好きだよ。」そういうと、真咲は「ありがとう!」と言った。

きっと、あたしの好きはあなたには伝わっていないと思う。けど、今はそれでもいいんだ。傍にいれるだけで幸せだから。







あたしはお母さんとお父さんに頼み込み、私立を受験させてもらった。猛勉強をした結果、見事合格できた。しかも、真咲と同じクラス。ああ、これであたしは真咲の隣にいれる。



真咲は入学式の時、男子用の制服ではなく、セーラー服を着ていた。まったく違和感がなく、女の子にしか見えない。小学校の時よりもずっと可愛く、死んだ美紀そっくりになっている真咲が少し怖かったけど、それでもあたしは真咲を愛していた。










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