お仕置きゲーム。
家事をする人が家にいない今、俺が全部しなければいけなくなった。学校が終わると早々と家に帰り、洗濯と掃除をする。そして宿題をすませて風呂を沸かす。
沸かしている間に夕食をとり、そのあと風呂に入る。
本当は啓太や智香と遊びたかったけど、時間が無かったのだ。
2人に遊べない理由を話して同情されるのは嫌だったため、俺は誰にも言わずに淡々とやらなきゃいけないことをして生きていた。
しかし、そんな生活も終わりを迎える事になる。
「...とうさん?」
「ああ、真咲、おかえり。」
学校から帰ると、父さんは既に家にいた。いつもなら仕事をしている時間なのに、なんでだろう。不思議に思った俺は「仕事は?」と問う。
「やめたよ。」
「え?」
「なんだか馬鹿らしくなっちゃってさ。母さんが目を覚ましても今までの母さんに戻るわけじゃないのに。もう、全部に疲れてなぁ...やめたんだ。」
「父さん。」「真咲、父さんは新しいオシゴトをするんだ。」「ッ、」「押入れの中に入っていなさい。」
父さんは虚ろな瞳で俺を見た後、そう言った。