お仕置きゲーム。
1-3精神世界
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白い空間。
ここに来るのは何度目だろう。数えるのも面倒だった。「...真咲。」目の前でしゃがみこんでいる真咲の体は酷く傷ついていた。
俺が真咲の名前を呼ぶと、ゆっくりと顔をあげて俺を見つめる。「マサキ、」切ない声音だった。胸の奥から何かがこみ上げてくる。
「マサキには、もう私は必要ないの?」
「そんなわけ、」
「マサキのナカ、私じゃないよ。啓太でいっぱいだよ。それに、智香のこと、後悔してる。」
真咲は俺のナカを見て寂しそうに呟く。
「やっぱり、マサキは嘘つき!」
真咲は立ち上がり、涙をこぼしながら叫んだ。「嘘つき!嘘つき、嘘つき!」俺は思わず後ずさってしまった。それをみて真咲はさらに傷ついたらしい。彼女の頬に掠り傷が現れた。
この空間は、俺の、精神世界だ。だから俺が真咲を裏切るような行為や傷つける態度をとれば、目の前にいる真咲は傷ついていく。
「痛いよ、ひどい、マサキ。また、私をころすの?」
どうすればいいのかわからない。俺はただ、真咲を見つめることしかできない。
「マサキ、私、マサキが好きだよ。」
真咲が俺に好きだと言った。いつものように、俺も好きだよと言いたかった。けど、声がでない。
躊躇っている。どうして、なんで?
真咲に好きだと言われても、温かくないんだ。けど、冷たくもない。何も感じないんだ。「ッ..。」ああ、俺、気付いてしまった。
「ッ...、俺、真咲のこと、好きじゃない。」
刹那、真咲の心臓に刃が突き刺さった。